司馬遼太郎氏は、坂の上の雲を書いていた頃から
ノモンハン事件をテーマにした小説の取材を重ね、
膨大な資料を集められたそうですが、結局、
生涯ノモンハンの小説を書かずに亡くなりました。
生前、「ノモンハンの小説を書くと、
気が狂って死んでしまう」と言っていたそうです。
日露戦争に勝って浮かれ、軍部を先頭に軍事大国を
目指して日本全体が突き進むようになる
大正から昭和の初めには、司馬氏が敬愛できる人物が
見つけられなかったからだと言われています。
戦争を知らない私にその気持ちがわかるはずもない
のですが、安倍晋三と彼の支持者についての
具体的な批判を言葉にしなければ、と思いつつも
その作業が憂鬱なのは、ノモンハン取材で司馬氏が
感じた心境に近い気持ちがあるように思えてなりません。
どこかにもっとまともな人間が沢山いるはずだ、と
思いたいのです。 |
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